お家のシンボルツリーにいかがですか?サルスベリの木

お家のシンボルツリーにいかがですか?サルスベリの木

サルスベリの木は中国南部原産の落葉樹です。

特徴的な幹肌を持ち、たくさんの花が群がって咲く、華やかで美しい花です。

夏の暑い盛りに花を咲かせる生命力みなぎる木は、シンボルツリーにぴったりです。

サルスベリ(百日紅)の名前の由来

日本ではサルスベリ

特徴的な幹の肌で樹皮が剥がれてツルツルとしています。

ツルツルとした表面の幹は、木登りが得意な猿さえも登るのが困難です。

このことから日本では「サルスベリ」と名づけられ、定着しました。

中国では紫薇

中国では、古代中国の都、長安の宮廷にもサルスベリが植えられていました。

次から次へと花を咲かせ、実に100日にも渡り花を咲かせる様子から「百日紅」と呼ばれ、尊重されました。

植えられた長安の宮廷「紫微宮」にちなみ「紫薇」とも呼ばれます。

朝鮮の悲しい恋の物語にも由来

百日紅の名は朝鮮半島の悲恋伝説に由来しているともされます。

龍神の生贄に捧げられた娘を助けた王子は、娘と恋に落ちます。

しかし、王子はある使命を持って旅をしていました。

その使命を達成するために、王子は娘に「100日待ってくれ。必ず迎えに来る」と言い残し旅立ちます。

そして100日後、娘を迎えにきた王子を待っていたのは、娘の墓でした。

100日を待たずして娘は命を落としていたのです。

王子が嘆き間死んでいると、娘の墓から、一本の木が生えてきました。

その木は、まるで娘のような紅色の可憐な花を咲かせます。

人々はその木を娘の生まれ変わりと信じ、「百日紅」と名付けました。

王子が恋に落ちた娘のように華やかな美しさのある花です。

九州では「くすぐりのき」

また、九州地方では「くすぐりのき」とも呼び、別名は「怕痒樹」です。

サルスベリの幹を手でくすぐるように掻くと、くすぐったそうに枝葉が揺れ、花が笑うように見えることから名付けられました。

実際には幹肌を撫でても花は笑いません。

サルスベリの木の花言葉

サルスベリの縮れた花びらが枝先に咲くとたくさんの花が群がって咲いているように見えます。

一つ一つの花は3日から4日で散ってしまいます。

しかし、3ヶ月ほどの間は次々と新しい花を咲かせ続けるため、長い間花を咲かせているように見えます。

この、次々と咲き乱れる様子が、おしゃべりをしながら、長く活動しているイメージとなり、「雄弁」「活動」「世話好き」という花言葉が生まれました。

また、サルスベリの由来となった、猿が滑り落ちる様子から「愛嬌」「不用意」という花言葉もあります。

しかし、サルスベリの木を猿は実際には滑ることなくヒョイヒョイと登っていきます。

サルスベリの木は縁起が悪い?

サルスベリの木は、可憐なピンクの花が美しく、長く花を楽しむことができます。

そのため、庭木などに植えられることが多い木です。

しかし、サルスベリの木は風水的に庭木にするにはあまりよくないとされています。

寺院に植える木だから縁起が悪い。

花が長く咲くのはその分土地のエネルギーを吸い取っているから。

「サルスベリ」という名前が悪いだとかいろいろと理由がつけられています。

サルスベリを植えてから家の中に小さな不幸が起こって落ち着かない。

庭木のサルスベリを伐採してからは家の中が明るく落ち着いた。

サルスベリを庭に植えることで幸せが逃げていく(滑る=落ちる)という逸話もよく聞きます。

申年の人は庭木にサルスベリを植えると商売がスベるだとか、申の方角に植えるとよくないなども聞こえます。
縁起担ぎは考え方ひとつです。

中国ではサルスベリの木は尊重され生命力そのもの

しかし、中国原産のこの花は、中国では宮廷に植えるものとして尊重されていました。

寿命が長く、次々に花を咲かせる様子は生命力そのものに見えます。

長く咲き誇る花のように長い栄華を願いました。

サルスベリという名は江戸時代に中国から日本に入ってきて見た目から付けられた名前です。

名前が縁起が悪いからという理由で避けるのはナンセンスです。

花は美しく、長く楽しめるサルスベリは庭のシンボルツリーとしてもふさわしい樹形です。

庭の雰囲気がグッと明るくなります。

木肌のユニークさも人気に一役買っています。

サルスベリの滑るを「滑って転ぶ」ではなく、「順調なすべり出し」と前向きに捉えて、美しい花を庭で楽しむのも素敵です。

サルスベリの木の種類は30種類ほど

サルスベリは中国原産のミソハギ科の落葉樹です。

夏本番に開花し始め、9月頃まで楽しめます。

2mから10mの高木性の樹木です。

花の色は白や紅、ピンク、紫で、枝先に次々と花を咲かせます。

花びらは縮れたちりめん状になっており、寒さに強く、初心者にも育てやすい樹です。

サルスベリの種類は30種ほどで、有名なものは「シマサルスベリ」「ヤクシマサルスベリ」「オオバナサルスベリ」「ムラサキサルスベリ」です。

シマサルスベリとヤクシマサルスベリは白い花を咲かせます。

オオバナサルスベリは7センチほどの大きな花を咲かせる種類です。

赤紫か白の花を咲かせます。

紫色の花を咲かせる「ムラサキサルスベリ」は、サルスベリとシマサルスベリの雑種で、低木性で3mから5mほどの高さにしかなりません。

サルスベリの木

サルスベリは、幹をさすると枝がくすぐったそうに揺れるので「サスリノキ」「クスグリノキ」「コチョコチョノキ」などの別名があります。

実際には笑うことはないですが、可愛らしい響きです。

また芽吹きが遅く、落葉も早いことから「ナマケモノノキ」とも呼ばれます。

しかし、花の時間が長いのでナマケモノには見えません。

サルスベリは暑い夏に花を咲かせる貴重な花です。

真夏の太陽の下、紅やピンク、白やムラサキの花が咲き誇っている様子は生命力に溢れ、見ると元気になります。

落葉樹ですが、他の木に比べ成長がゆっくりで、幹もユニークなので観賞用に植えるのもオススメです。