駅で聞こえるピンポンにはどんな意味があるの?その理由と音サインについて

駅で聞こえる「ピンポーン」の音

日本で暮らす方々なら1度は耳にした事があるのではないでしょうか。

駅で聞こえる「ぴぃ〜んぽぉ〜ん〜」の音。
あれってなあに??

駅の改札口や、駅のホームで繰り返し鳴る、ぴぃ〜んぽぉ〜ん〜の音。

私は電車を頻繁に利用します。

あれは視覚障がい者誘導チャイムというものだよ!!
目の不自由な人が安全に駅を利用できるように設置されてるんだ。

そのためかすっかり当たり前になってしまって、違和感なく聞いていました。

でも、あれって何の音か、ご存知ですか?

ピンポンの正体は「視覚障がい者誘導チャイム」!

  • 視覚障がい者が安全に駅を利用できるためのもの
  • 駅の有人改札口や発券機、階段の位置を音で示す
  • ピンポン音や鳥のさえずり音、または言葉により案内する

あのピンポンの音は『視覚障がい者誘導チャイム』と言います。

また、「盲導鈴」ともいわれます。

あのチャイムでは「駅の有人改札口」「発券機」「階段の位置」が分かるようになっているんだ

視覚障がい者の方々が安全に駅を利用できるように導入されました。

視覚障害者にとって聴覚情報は駅などの空間を歩く上でとても重要なものです。

そのため、あちらこちらで響く、ピンポンや、鳥のさえずりの音、自動放送による『言葉による案内』がいたるところに設置されているのですね。

それ以外にもエスカレーターなどで人の声がながれる音声案内なども、視覚の不自由な方々の役に立っています。

駅の構内だけではない視覚障がい者誘導チャイム

    • 交通バリアフリー法の施行により2000年に音や音量が統一
    • 現在では「移動円滑化基準」にて規定が定められている
    • 体が不自由でも移動が円滑にできるよう設置が義務ずけられている
    • 不特定多数の人が利用する公共施設で設置

この音は不特定多数の方が利用する場所でも利用されています。

いろんな人が使う、いろんな人が集まる場所でも視覚にハンディキャップを持ってい人が不自由なく利用できるように公共施設でも利用されているんだ。

空港や市役所、公民館、図書館、病院などさまざまな公共施設で利用されています。

1976年、関西の大手電鉄、関西電鉄で初めて障がい者誘導チャイムが導入されました。

その後、駅の中の盲導鈴として全国に広まっています。。

しかし、導入当時は明確な統一規則がありません。

音の種類も音量も統一されていませんでした。

場所によって、さまざまに分かれており、利用者が本当に誘導の音なのかわからないという弊害が生まれ、混乱が生じます。

そこで、「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律」(交通バリアフリー法)が施行され、2000年に統一を目指す事となったのです。

統一された誘導音によって移動の円滑化を促進させる目的で設置されている!!!
現在では「移動円滑化基準」によって基準が厳しく規定され、設置が義務となってるんだ!!

今では「移動円滑化基準」という基準で厳しく規定が定められています。

駅の改札口、エスカレーター、トイレの入り口、地下鉄の地上出入口、
ホームの階段に設置することが義務となっています。

実は音にも規定がある

ピンポンの『音』にも細かく音響装置の条件が規定されています。

立ち上がりの速さや周波数、設置場所や方向なども規定され、運用されます。

音響装置の条件

(1) 「音サイン」に適した音の立ち上がりの速さ


(2) 「音サイン」に適した音の周波数成分


(3) 「音サイン」に適した音の量子化精度と圧縮率


(4) 「音サイン」の再生に適したスピーカーの設置位置と設置方向

(5) 「音サイン」と周囲の騒音の大きさの関係

このようにピーン、ポーンという音が、誰にでも聞き取りやすく、より方向位定しやすい音として、全国の駅等で利用されているのですね。

変化が起きているのは音サインだけではない

2020年、全世界から人々が集まる東京オリンピックが開催されます。

これにより、案内サインは多様な進化を遂げています。

  • 多言語の案内表示を推奨
  • 世界基準のピトグラムを使った案内へと移行中
  • スポーツピトグラムも発表されている

記号を使った案内サインは多言語表示へ

2020年の東京オリンピックに向けて、音サインだけでなく、記号を使った『案内サイン』にも変化が起きています。

今までは英語と日本語表記だけだったのが、中国や韓国など多様な国の言葉で案内板が表記されるようになってるね。見たことないかな?

現在は多言語による案内の表示が推奨されています。

案内サインは今まで日本語と英語の2言語が中心とされてきました。

近年では2言語以外にも中国語やハングル語など、そのほかの言語も使用する事が推奨されています。

オリンピックによる観光客の増加はこれからも見込まれるから、外国の方でも一目でわかる案内板が重要になってくるんだね

いまでも多くの外国人観光客が日本へ訪れています。

しかし、オリンピック開催時には、より一層多くの数の観光客が訪れることが見込まれます。

そのため、多くの言語を案内サインに表示することが必要になります。

多言語表示により、たくさんの人が、サインを一目で理解でき、ストレスの少ない観光ができるようになるでしょう。

そのようなことから多言語での表示が求められているのです。

絵文字や絵言葉で案内するピクトグラムも世界基準へ

ほかにも『ピクトグラム』と言われる絵文字や絵言葉も変化しつつあります。

わかりやすくイラストで案内板を作れば、字が読めなくてもなんとかなる!!
ピクトグラムはそれを目的に作られた絵文字だ!

ピクトグラムとは、案内板に表示される非常階段やトイレ、交番や郵便局のマークなどのことです。

多くの国の人が分かるように国際標準化規格への移行が着々と進められている!!

現在、ISO(国際標準化機構)規格へと移行する作業が進められています。

日常生活の中でも、さまざまなマークを無意識に利用していますよね。

日本のピクトグラムはJIS(日本工業規格)を基準に定められていました。

今までは日本の中だけで通用すれば問題ありませんでした。

しかし、2020年に開催されるオリンピックにより、この、ピクトグラムの規格を世界水準にするとが急務となっています。

東京五輪の競技のマークとして使われる、『スポーツピクトグラム』もすでに発表されています。

ピンポンもまだまだ改善の余地あり

  • 聴覚過敏によって人工的な音を苦痛に感じる人もいる
  • 聴覚過敏は認知が進んでいないため理解されないことが多い
  • 聴覚過敏の人にはピンポン音は苦痛に感じる
  • 音量などで苦情が入ると対応せざるおえないため混乱が生じる

1つは音サインの設置は義務づけられていますが、努力義務であり、罰則などは特にないのが現状です。

利用者からの音量が大きい、うるさい、などの苦情が入ると改善せざるを終えません。

音量を下げたり、複数の路線で同じ音が入り乱れてしまい混乱を招きます。

誘導音の設置は「努力義務」なので強制はできないんだ。
苦情が来れば、改善しなければいけなくて、視覚にハンディキャップを持っている人にとってはちょっと困る事態になることも多い

実際に視覚障がい者として電車を利用する方々にとっては困ってしまう事態になります。

しかし、少し目線を変えて考えてみると、この音を「うるさい」と感じてしまう人もいるのも事実。

でもね、「聴覚過敏」という病気や精神的な障害のせいでこの音が耐えられないくらい不快な思いに繋がる人もいる。

もちろんわがままで、と言うことではありません。

聴覚過敏」という症状によってうるさく感じてしまいます。

筆者の身近な人にもいるのですが、「聴覚過敏」によって、大きな人工的な音が苦痛を伴う異常な音として認識してしまうのです。

「みんな」に合わせるのはすごく大変だけど、できるだけ多くの人が不快に感じることのない環境になるといいね

聴覚過敏はまだまだ理解が進んでいない症状です。

精神的部分も関係します。

「少しくらい我慢できるでしょ」「そのうち慣れるから大丈夫だよ」などと言った心無い言葉もかけられてしまうのです。

多くの人が安全に利用できる環境を!

多様な人々が利用する駅構内や公共施設では、必要な誘導チャイム。

少しでも多くの人が安全に、不快な思いをすることなく利用できる環境が、一層に整っていくと良いですね。